気ままにドラマ・映画

気が向いたときにドラマや映画の感想を載せます。

マイ・ブロークン・マリコ(2回目)

公開初日に見て、ものすごく感動させられた本作品。

原作を読んだ上で2回目を見に行ってきたので、再び、この素晴らしい作品について綴ろうと思います。前回は原作未読の状態で感想を書いたので、今回は原作との違いをいくつか書いていきます。

そのまえに、原作×映画の特別映像がエモかったので共有しておきます。

以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

 

 

シイノがマリコの遺骨を抱いて旅に出てから初の食事。牛丼を食べる場面。

豪快な食べっぷりが印象深いこのシーンですが、原作と大きく異なる部分があります。それは割り箸を割るシーン。原作では手で荒々しく割っているのですが、映画では割り箸を口に咥えて引っ張るように割っています。この変更点はすごく素敵だと思いました。シイノの性格を考えると、こちらのほうが似合っていると感じます。また、割り箸を割るという動作は物語終盤、映画オリジナルのシーンでも再び出てきます。綺麗に且つ豪快に割り箸を割っている永野芽郁さんに惚れ惚れしてしまいました。

 

 

「考えたんですけど、もういない人に会うには、自分が生きてるしかないんじゃないでしょうか」

「あなたの思い出の中の大事な人と、あなた自身を、大事にしてください」

私が本作品で一番好きなセリフです。マキオがシイノに投げかけるこのセリフですが、原作と映画ではタイミングが違います。原作では、まりがおか岬の崖下で起き上がった場面。映画では、シイノの旅が終わり、帰りの電車を待っている場面です。セリフを言い始めるまでの「間」がとてもいい空気感を醸し出しており、セリフの重みがより増しているように感じられました。

 

 

上記以外にも原作をより詳細に丁寧に描写するために、変更・追加されている場面があります。原作の実写映画は原作に忠実か否かで評価が分かれることが多いですが、本作品は原作に忠実で、映画オリジナルのシーンもあるものの、原作の温度感を見事に受け継いでいて非常に良かったと思いました。

 

それから、(前回書くのを忘れてしまっていたので……)メインキャストの皆さんの演技力の高さは語るまでもないですが、中学時代のシイノ役である佐々木告さんの演技に驚かされました。シイノの、柄は悪いが根は優しいというキャラクター像を忠実に表現していて素晴らしかったです。これからのご活躍も楽しみにしています。

 

 

 

大切な人の「死」を受け止めて乗り越えて、この先も「生きる」選択をする。それが繊細に滑らかに描かれていて、簡単に言葉にはできない感動と満足感を改めて実感しました。

とても上映時間85分とは思えない満足感。やはり最高の作品です。